上腕骨外側上顆炎について
上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)は、上腕骨の外側上顆(肘の外側)に炎症が生じる状態を指します。一般的には「テニス肘」として知られていますが、テニスをしない人にも発症することがあります。
反復運動や過度のストレスが関与することが多く、手首や手の甲の筋肉を使用するスポーツや職業に従事する人によく見られます。手首の使用頻度が多い職業は様々ありますが、共通してパソコンのタイピング作業が多いことが関係しています。タイピングは肘の内側に付着する指の屈筋を使用するため肘の内側に負担がかかる印象ですが、タイピングの際は手首を背屈位(手の甲側に反っている状態)を保持しています。手首を背屈する筋肉は、肘の外側に付着しており、長時間作業を行うことで負担がかかってしまうのです。これにより、上腕骨の外側上顆についている腱(筋肉を骨につなぐ組織)や滑液包に炎症が起こり、痛みや運動制限を引き起こすことがあります。
具体的な症状としては、外側上顆部分に痛みや圧痛が生じることがあります。痛みは肘から手首にかけて広がることがあり、特に握る動作や手首を反らす動作をする際に悪化することが多いです。また、重いものを持ったり力を入れると痛みが増すこともあります。
上腕骨外側上顆炎の治療には以下のような方法があります。
負担の軽減のため、手首に負担のかかる作業や運動を休止する。また、パソコン作業の合間に休憩をはさみストレッチを行ったり休息をとる。
ストレッチで痛みが出る場合は、無理に伸ばさず手首から肘にかけての筋肉をマッサージすることも有効です。
テニスでは、適切なグリップサイズの選択やフォームの改善などが有効です。
その他、薬物療法や物理療法、運動療法などの治療法があります。