高齢者の骨折と骨粗しょう症
今回は、高齢者の骨折と骨粗しょう症についてのお話です。骨折は、強い外力が骨の強度を上回った際に引き起こされ、強い痛みだけでなく生活・活動の制限や活動を制限されることで心理的な負担を受けることがあります。特に高齢の方の場合、よりその問題は甚大であり活動の制限だけでなく加齢に伴う変化を進めてしまうこともあるのです。これにより、生活範囲の減少や介護の必要性を生じてしまうことがあります。
高齢な方の骨折では、敷物などわずかな段差や階段につまづき転倒し受傷することがあります。これは、加齢に伴う筋力やバランス能力の低下、視力や判断能力の低下や骨粗しょう症など複数の要因が重なり引き起こされます。特に脊椎の圧迫骨折が多く、ほかにも橈骨遠位端骨折や上腕骨近位端骨折、大腿骨頸部骨折などの骨折の頻度が多くなっています。
骨粗しょう症とは、骨密度などの低下により骨の強度が低下してしまう病気です。年齢とともに有病率が上昇し脆弱性骨折の原因となります。ホルモンバランスの低下やカルシウム・ビタミンDの低下などが関わっており、閉経後の女性ホルモン減少や老化とのかかわりが深いと考えられています。
予防としてカルシウムやビタミンD、ビタミンKの摂取や適度な運動と日光浴が効果的です。
骨粗しょう症の診断にはレントゲンやDEXA(デキサ)法、超音波法、MD法、CT法などがあります。DEXA法とは、骨の強さにかかわる成分の量を図る検査です。デキサでは腰椎(腰の骨)と大腿骨頸部(太ももの付け根)のレントゲンを撮影し骨密度を測定します。検査は全体で約15分で終了し、現時点では骨密度を評価する検査で最も信頼できる検査となっています。
当院でもDEXAでの骨密度検査を行うことができます。骨密度検査をご希望の際は、診察にてお気軽にご相談ください。