椎間関節性腰痛
【椎間関節性腰痛とは】
椎間関節とは、椎骨と呼ばれる背骨を構成する骨が連結する関節を指します。椎間関節の周囲には、筋肉の付着する部分や関節包、滑膜や神経などがあります。椎間関節の周りには痛みを感じとる侵害受容器が多く存在します。特に筋肉の付着部や関節包に多く存在し、この部分に負担がかかると痛みを感じたり炎症を起こすことがあります。
椎間関節を支配している神経は、脊椎を反らすために働く棘間筋や多裂筋を支配しており、椎間関節への刺激は、これらの筋の筋緊亢進などを起こす可能性があります。また、椎間関節での炎症は周囲の神経にも影響を及ぼし、腰のみでなく、足の痛みを引き起こす可能性があるのです。
腰椎は、屈曲・伸展(曲げ伸ばし)の動きに対しては、比較的動きやすいですが、回旋(捻る)は動きにくい構造になっています。そのため、胸や股関節が硬いと腰に負担が集中しやすく、椎間関節への負担となってしまいます。
長時間のデスクワークなど、長時間同一姿勢をとると姿勢が悪くなり全身の筋肉が緊張し硬くなります。また、椎間関節など関節への負担も高くなる恐れがあるため、定期的に姿勢を変えたり、全身のストレッチを行うことが大切です。
【治療法】
治療法には、椎間関節ブロック注射やリハビリ、手術治療などがあります。リハビリでは、椎間関節への負担の軽減と緊張の高くなった筋の柔軟性向上などを行っていきます。上記で説明させていただいた、胸椎や股関節など隣接する関節の動きを確認し、問題のある関節のストレッチや筋肉のリラクゼーションを行うことで、全身で運動を行えるよう治療していきます。また、生活習慣の中で腰への負担になりやすい動きや姿勢があると、痛みの再発や増強を招く恐れがあります。そのため、普段の生活動作や姿勢の見直しを行うことで再発予防に努めていきます。