坐骨神経痛
腰から爪先まで伸びている「坐骨神経」という抹消神経が様々な原因で圧迫・刺激されることによって現れる、電気が走ったような痛みや、ビリビリする痺れ、強く張っている感じなどの症状のことです。多くは腰痛に引き続いて発症し、やがて臀部や太ももの後ろ、すね、足先などに痛みや痺れ、麻痺が広がり、時には歩行障害を伴うケースもあります。
【治療法について】
坐骨神経痛の治療では痛みを和らげることを優先し、当院では痛み止めの内服薬などの治療を行って、それらを十分に行っても痛みが良くならない場合や尿や排便などに障害があらわれた場合には手術を検討いたします。
治療法は、以下の5通りです。
- 薬物療法
- 理学療法(リハビリテーション)
- 装具療法
- 神経ブロック療法
- 外科的療法
【予防・改善のために】
坐骨神経痛の原因となる疾患は、ほとんどの場合、日常の動作や姿勢を見直すことによって予防できます。
・なるべく重いものを持たない
・中腰を避ける
・長時間同じ姿勢をとらない
・激しい運動を避ける
・ストレッチをする(筋肉のこわばりをなくす)
・仕事や家事の合間に適度に休憩をとる
・肥満しないように注意する
・腹筋や背筋を鍛えるなど、背骨や腰に負担をかけない動作・姿勢を心がける
以上のことが、坐骨神経痛を予防するいちばんの対策となります。
神経という器官は、実は圧迫を受けるだけでは痛みを発生いたしません。神経が長く圧迫され、かつ、その周辺の循環障害によって炎症が誘発され、炎症物質が出てくると、初めて神経が異常感覚を脳に伝えます。そして、脳が「痛い」と感じると、痛くない姿勢を無意識にとるようになります。この「無意識の姿勢や動作」が、運動器の疼痛を新たに引き起こしてしまうケースが多いです。
坐骨神経痛は、軽度のうちなら、日常の動作や姿勢を見直して、ストレッチなどを習慣化することで、自分でも予防したり、改善したりすることができます。ただし、強い痛みやしびれを感じたり、腰が曲がらない、歩くのがつらいといった症状があった場合は、重症になっている可能性が高いです。必ず受診して医師の指導を受けてください。