シンスプリント
【シンスプリントとは】
「走るとすねの内側が痛い」「運動後、決まって足がズキズキする」――もしあなたがそんな症状に悩まされているなら、それはシンスプリントかもしれません。正式には「過労性脛骨(けいこつ)症候群」とも呼ばれるこの疾患は、主にランニングやジャンプなど、走ることが多いスポーツを行っている方に多く見られます。
シンスプリントは、下腿(すね)の内側に位置する脛骨(けいこつ) という骨の周りにある骨膜(こつまく) に炎症が起きることで発生します。これは、繰り返し加わる衝撃や、足首や足の親指を使って地面を蹴る際の筋肉の牽引によって、骨膜が引っ張られ、負担がかかることが原因と考えられています。
痛みを我慢して運動を続けていると、炎症が悪化し、最悪の場合、疲労骨折にまで進行してしまうことがあります。疲労骨折になってしまうと、運動を長期間中止せざるを得なくなり、回復にも時間がかかります。また、シンスプリントは時間が経つと非常に治りにくくなる傾向があるため、下腿の内側に違和感を感じたら、早期に治療を始めることが非常に重要です。
【シンスプリントの症状】
シンスプリントの主な症状は、以下の通りです。
- 下腿(すね)の内側が痛む
- 運動時や運動後に痛みが生じる
- 押すと痛む(圧痛)
- 慢性的な痛み
- 症状の進行
- 腫れや熱感
特に、すねの内側の、足首から膝にかけての中央より少し下あたりに痛みを感じることが多いです。
走り始めや、ランニング中、あるいは運動を終えた後に痛みが強くなる傾向があります。
痛む部分を指で押すと、ズキッとした痛みが走ります。
痛みが一時的ではなく、運動を続けると症状が繰り返されたり、常に鈍い痛みが続いたりします。
軽度では運動後に軽い痛みを感じる程度ですが、進行すると運動中も痛みが続き、最終的には日常生活の歩行時にも痛みを感じるようになることがあります。
炎症が強い場合、患部にわずかな腫れや熱感を伴うことがあります。
このような症状に心当たりがある方は、早めに整形外科を受診し、適切な診断を受けることをお勧めします。
【検査・診断】
シンスプリントの診断は、患者様の症状や運動歴の確認、そして身体診察を通じて行われます。
- 1.問診
- 2.身体診察
- 3.X線(レントゲン)検査
- 4.MRI検査
どのようなスポーツをしているか、いつから痛みがあるか、どのような時に痛むか(運動のどの段階で痛むか、運動後かなど)、過去の怪我の有無などを詳しくお伺いします。
痛む部分(下腿内側)を触診し、圧痛の有無や範囲を確認します。また、足首や足の指の動き、ふくらはぎの筋肉の柔軟性なども評価します。
疲労骨折など、他の骨の病変を除外するために行われます。シンスプリント自体はレントゲンには写りませんが、鑑別診断のために重要です。
レントゲンでは判断が難しい場合や、疲労骨折が疑われる場合、あるいは他の疾患(コンパートメント症候群など)との鑑別が必要な場合に検討することがあります。
これらの検査結果に基づき、患者様の下腿の痛みがシンスプリントによるものかを正確に診断し、その重症度を評価します。
これらの検査結果に基づき、患者様の下腿の痛みがシンスプリントによるものかを正確に診断し、その重症度を評価します。
【治療】
シンスプリントの治療は、炎症を抑え、痛みを軽減しながら、再発予防のための身体づくりを行うことが重要です。下腿の内側に違和感を感じたら、我慢せずに当院にご相談ください。
保存的治療:段階的に回復を目指す
手術をせずに、症状の改善を目指す保存的治療が基本となります。
- 安静と運動量の調整
- 薬物療法
- 物理療法
- 理学療法(リハビリテーション):
- 装具療法
- 正しいフォームの指導
最も重要な治療法の一つです。痛みが強い間は、原因となるランニングやジャンプなどの運動を一時的に中止したり、運動量を大幅に減らしたりして、患部に負担がかからないようにします。
痛みや炎症を抑えるために、内服薬(消炎鎮痛剤など)や外用薬(湿布、塗り薬など)を処方します。
炎症を抑え、血行を促進し痛みを緩和するために、アイシング(冷却)、温熱療法、電気療法、超音波療法などを行います。
専門の理学療法士が、シンスプリントの原因となっている筋肉のアンバランスや柔軟性の低下を改善するための運動指導を行います。
・ストレッチ: ふくらはぎや足裏の筋肉、アキレス腱などの柔軟性を高めます。
・筋力トレーニング: 下腿や足部の筋力を強化し、衝撃吸収能力を高めます。
・バランス能力の向上: 片足立ちや不安定な場所でのバランス練習を行い、足の安定性を高めます。
足底板(インソール) を使用し、足のアーチをサポートしたり、衝撃を吸収したりすることで、下腿への負担を軽減します。特に扁平足の方に有効な場合があります。
ランニングフォームやジャンプフォームを見直し、足への負担を減らすための指導を行います。
【予防】
シンスプリントは、症状が治まっても運動を再開すると再発する可能性が高い疾患です。そのため、再発予防のための継続的なケアと対策が非常に重要になります。
- 運動量の段階的な増加
- 十分なウォーミングアップとクールダウン:
- 基礎的な筋力と関節の柔軟性の向上
- 適切なシューズの選択と管理
- 練習環境の見直し
- 身体の使い方やフォームの改善
急に運動量を増やしたり、運動強度を上げたりすることは避けましょう。徐々に運動量と強度を上げていくことで、体が順応し、負担を軽減できます。
運動前には、ふくらはぎや足首、足裏の筋肉を重点的にストレッチし、体を十分に温めてから運動を開始しましょう。運動後も、クールダウンとしてストレッチを行うことで、筋肉の疲労回復を促します。
日頃からふくらはぎや足裏、股関節周囲の筋肉の筋力トレーニングとストレッチを継続し、足関節の柔軟性を維持することが大切です。
・クッション性が高く、足にフィットするランニングシューズを選びましょう。
・シューズの寿命(クッション性の低下)にも注意し、定期的に新しいものに交換しましょう。
・硬い地面での運動を避ける: アスファルトなどの硬い路面での長時間のランニングは、足への負担が大きくなります。できるだけ土のグラウンドやトラック、芝生など、比較的柔らかい地面で運動するように心がけましょう。
・インソールの利用: 扁平足の方など、足のアーチが崩れている方は、市販またはオーダーメイドのインソールを利用することで、足底への衝撃を分散し、負担を軽減できます。
誤ったランニングフォームや着地時の姿勢は、シンスプリントの原因となることがあります。指導者や専門医(理学療法士など)に見てもらい、身体の使い方や練習環境を見直すことも重要です。
【シンスプリントの治療は横浜市緑区のかたの整形外科へ】
すねの痛みを「大したことない」と我慢していませんか? シンスプリントは、放置すると症状が悪化し、大好きなスポーツを長期間休まなければならなくなることもあります。早期の診断と適切な治療が、あなたのスポーツライフを守る鍵です。
横浜市緑区にお住まいの方、通勤・通学されている方でシンスプリントの症状にお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。整形外科専門医が、丁寧な診察と的確な診断を行い、お一人おひとりに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
快適なスポーツライフを取り戻すために、私たちと一緒に症状の改善を目指しましょう。
【よくある質問】
Q1.シンスプリントと疲労骨折は違うものですか?
A1.シンスプリントと疲労骨折は異なりますが、密接な関係があります。シンスプリントは脛骨の骨膜の炎症ですが、この炎症を放置し、運動を続けることで骨に繰り返しの負担がかかり、最終的に骨自体にひびが入ったり、折れたりする疲労骨折に進行する可能性があります。痛みが強い場合や長引く場合は、疲労骨折の可能性も考慮し、早めに受診しましょう。
Q2.シンスプリントは自分で治せますか?
A2.軽度の場合や初期であれば、安静やアイシング、ストレッチなどで一時的に痛みが和らぐこともありますが、自己判断で完全に治すのは難しいことが多いです。原因となっている体の使い方や、筋力・柔軟性の問題が解決されない限り、再発するリスクが高いです。専門医の診断を受け、適切な治療とリハビリテーションを行うことが、根本的な解決と再発予防には不可欠です。
Q3.運動を完全にやめないと治りませんか?
A3.痛みが非常に強い場合は、一時的に運動を完全に中止する必要があることもあります。しかし、多くの場合、運動量を調整したり、痛みの出ない範囲でできる運動(例:水泳、自転車など)に切り替えたりしながら治療を進めることが可能です。大切なのは、患部に負担をかけすぎないことです。自己判断せず、医師や理学療法士の指示に従って運動量を調整しましょう。

