ジャンパーズ・ニー(膝蓋腱炎)
バスケットボールやバレーボール、走高跳やサッカーのゴールキーパーなど、ジャンプを頻回に、かつ長時間行う人、もしくはランニングをする人でひざの前の方に痛みが出ている場合はジャンパーズ・ニー(膝蓋腱炎)である可能性が高いです。強いストレス(大腿四頭筋が引っ張られることで加わる牽引力)が繰り返し膝にかかり、膝蓋腱に微小な損傷を起こし痛みの原因となります。ジャンパーズ・ニーは放っておいて簡単に治ることもありますが、残念ながらなかなか治らずに時間が経過することも少なくありません。なかなか症状が改善しない場合は当院へご相談下さい。
【治療法について】
多くの場合は運動療法などの保存療法で改善していきます。膝蓋腱への負担を軽減するために、ジャンプやダッシュなどの運動制限、膝の屈曲伸展に関わる大腿四頭筋やハムストリングス(太もも後面の筋肉)のストレッチ、必要に応じて消炎鎮痛作用のある飲み薬や塗り薬を処方することもあります。また、股関節周囲の柔軟性や筋力強化、大腿四頭筋の遠心性収縮(筋肉が伸ばされながら力を入れる)トレーニングなどの運動療法もリハビリで行います。治療法は、以下の5通りです。
- 薬物療法
- 温熱療法
- 理学療法(リハビリテーション)
- 装具療法
- 神経ブロック療法
【予防・改善のために】
運動前には十分にウォーミングアップを行い、全身の筋力の柔軟性を確保し、ストレッチを行うことが大切です。勢いはあまりつけずに20~30秒程度かけ、ゆっくりと大腿四頭筋をストレッチします。
運動後も同様のストレッチを行い筋肉疲労の蓄積を防止しながら、炎症を避けるためのアイシングを併用しましょう。自宅で入浴中の筋肉のマッサージや入浴後のコンディションの良いタイミングでのストレッチも効果的です。