かかとの痛みは整形外科へ 横浜市緑区の整形外科が解説
「朝起きて最初の一歩を踏み出すとき、かかとがズキッと痛む…」「長時間歩いたり立ったりすると、かかとの奥がジンジンする…」。そんなかかとの痛みにお悩みではありませんか?
かかとの痛みは、日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置すると症状が悪化し、慢性的な痛みにつながることもあります。もし、かかとの痛みが数日経っても治らない、痛みがどんどん強くなっている、といった場合は、一度整形外科を受診することをおすすめします。
かかとの痛みの原因は?
かかとの痛みには、さまざまな原因が考えられます。一般的な原因として、以下のようなものが挙げられます。
1.足底筋膜炎(そくていきんまくえん)
かかとの痛みで最も多い原因の一つです。足底筋膜とは、かかとの骨から足の指の付け根まで、足の裏全体に広がる厚い繊維状の組織です。この足底筋膜に繰り返し負担がかかることで、炎症が起こり、かかとの内側や土踏まずに痛みが現れます。
特に、以下のような方に多く見られます。
- スポーツ(ランニング、ジャンプなど)をよくする方
- 長時間の立ち仕事や歩行が多い方
- 体重の増加
- 扁平足やハイアーチなど、足の構造的な問題がある方
- クッション性の低い靴を履くことが多い方
症状
- 朝起きて最初の一歩を踏み出すときに最も痛む
- 座っていて急に立ち上がるときに痛む
- かかとの骨の少し前(足の裏側)を押すと痛む
2.アキレス腱炎(アキレスけんえん)
アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ、体の中で最も太い腱です。このアキレス腱に過度な負荷がかかることで炎症が起こり、かかとの後ろ側や、少し上のあたりに痛みが現れます。
症状
- かかとの後ろ側が押すと痛む
- 運動中や運動後に痛みが増す
- アキレス腱が腫れたり、熱感があったりする
3.踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)(シーバー病)
成長期の子供に多く見られるかかとの痛みです。かかとの骨(踵骨)は、成長期に骨端線(成長軟骨)という柔らかい部分があります。スポーツなどで繰り返し強い衝撃がかかると、この部分に炎症が起こり、痛みが生じます。
症状
- スポーツをしている最中や後に、かかとが痛む
- かかとの後ろ側や下側を押すと痛む
- 片足だけでなく、両足に痛みが出ることもある
4.その他の原因
上記以外にも、かかとの痛みはさまざまな原因によって引き起こされます。
- かかとの脂肪体炎: かかとのクッション材である脂肪体が、繰り返し圧迫されることで炎症を起こす。
- 踵骨下滑液包炎(しょうこつかかつえきほうえん): かかとの骨と皮膚の間にある滑液包に炎症が起こる。
- 有痛性踵骨棘(ゆうつうせいしょうこつきょく): レントゲンでかかとの骨にトゲのような突起が見つかることがあります。これが神経や周囲の組織を刺激して痛みを引き起こす場合がありますが、棘があっても痛みの原因ではないこともあります。
なぜ「かかとの痛み」は整形外科の受診が重要なのか?
「ただの疲れだろう…」と自己判断で放置すると、痛みが慢性化し、治りにくくなることがあります。また、痛みをかばうことで、膝や腰など、他の部位に負担がかかり、新たな痛みを引き起こすこともあります。
整形外科では、かかとの痛みの原因を正確に特定し、適切な治療を行うことができます。
整形外科で行う検査と診断
当院では、かかとの痛みの原因を特定するために、以下のような検査を行います。
- 問診: いつから、どのようなときに痛むのか、痛みの性質、過去の病歴などを詳しくお伺いします。
- 視診・触診: かかとの腫れや熱感、痛む場所を丁寧に確認します。
- 画像検査:X線(レントゲン)検査: 骨の変形やヒビ、骨棘の有無を確認します。/超音波(エコー)検査: 足底筋膜やアキレス腱の状態、炎症の有無をリアルタイムで詳細に確認できます。
これらの検査結果に基づき、正確な診断を下し、患者様一人ひとりに合った治療プランを提案します。
当院で行う「かかとの痛み」の治療法
原因や症状の程度に合わせて、以下のような治療を組み合わせて行います。
保存療法(手術をしない治療)
ほとんどのかかとの痛みは、保存療法で改善します。
- 安静: 痛みが強い場合は、無理な運動や長時間の立ち仕事を控えます。
- 物理療法: 低周波治療や温熱療法、超音波治療などを用いて、炎症を抑えたり、血行を改善したりします。
- 薬物療法: 痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛剤の内服薬や湿布、塗り薬を処方します。
- リハビリテーション: 専門の理学療法士が、足のストレッチや筋力トレーニング、姿勢の改善指導を行います。
- 装具療法: インソール(靴の中敷き)やサポーターを使って、足への負担を軽減します。
手術療法
保存療法で改善が見られない場合や、症状が重度の場合は、手術を検討することもあります。しかし、かかとの痛みで手術が必要になるケースはごく稀です。
日常生活でできるかかとの痛みの予防と対策
- 自分に合った靴を選ぶ: クッション性が高く、足にフィットする靴を選びましょう。ハイヒールや底の硬い靴はできるだけ避けるのが賢明です。
- 適度なストレッチ: ふくらはぎや足の裏の筋肉をこまめに伸ばすことで、柔軟性を保ち、負担を軽減できます。
- 体重管理: 体重が増えると、かかとへの負担も大きくなります。適正体重を維持するように心がけましょう。
- 激しい運動の調整: 痛みが強いときは、ランニングやジャンプなど、かかとに負担のかかる運動を控え、ウォーキングなどに切り替えることも大切です。
「もしかして?」と思ったら、お気軽にご相談ください
「このくらいの痛みで病院に行っていいのかな…」とためらっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、早期に適切な治療を開始することが、症状の悪化を防ぎ、早く治すための鍵となります。痛みでお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ一度横浜市緑区のかたの整形外科クリニックへご相談ください。私たちが健康的な歩行を全力でサポートします。

